先日、幼児教育無償化が2019年10月からスタートする、というニュースが飛び込んできました。
今までこの話題には無関心でしたが、本当にやるんだー!?とビックリ。
本日は、このことについて。
幼児教育無償化の内容(2018年6月1日現在の情報)
まずは、幼児教育無償化の内容について、簡単に。
上記、NHKのニュースによると、幼児教育無償化の内容は下記のとおりとなっています。(現段階の方針で、確定ではありません!)
(1)0歳から2歳までの子どもについては、認可保育所や認定こども園、幼稚園について、住民税が非課税の世帯を無償とする
(2)3歳から5歳までは、所得にかかわらず一律で無償とする
(3)認可外の保育施設の無償化について、就労状況などに基づいて市区町村から保育の必要性が認定された世帯であれば、施設の種類を問わず一定額を上限に補助する方針
(1)〜(3)いずれも2019年10月から実施予定。
以上。
0〜2歳は、住民税非課税世帯のみなんですね。(全然理解していなかった・・・)
とはいえ、3歳以降の保育料が無償化になるだけでも、家計の負担はかなり減ります。
ですが、私の場合、助かる!嬉しい!という気持ちよりも、戸惑いの方が大きいです・・・。今のところ。
喜びより戸惑いの方が大きい理由(政策に対する疑問点)
なぜ戸惑いの方が大きいかというと、やはり、もっと優先してやるべきことがあるんじゃないか?と思うからでしょうかね。
そもそもですよ。
幼児教育無償化の目的は何かというと、政府の資料によると
家庭の経済状況にかかわらず、すべての子供に質の高い幼児教育を保障するため
と書かれているんですよー。
引用;幼児教育無償化について(平成29年7月31日幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議)
大義名分は、そうらしいのです。
でも、日本では、既にほとんどの子どもが保育園か幼稚園に通っています。
※平成25年の調査によると、日本における4歳児で保育園・幼稚園に通っていない割合は4.6%、5歳児の場合は1.5%程度とのことです。(わざわざ調べた↓)
既にほとんどの子どもが保育園か幼稚園に通っており、しかもその教育の質が向上するわけでもない状況で幼児教育を無償化したからといって、「すべての子供に質の高い幼児教育を保障する」という効果にはつながらないのでは・・・!?と、疑問です。
さらに、保育園・幼稚園いずれにおいても、既に所得に応じた利用料が設定されています。
(幼稚園では、無料〜2万5千円超の5段階、保育園は無料〜10万円超の8段階)
既に、本当に支援が必要な家庭には負担がかからないように設定されているのです。
ということは、無償化の恩恵を1番受けるのは、低所得世帯ではなく高所得世帯になるのでは!?それってどうなの!?と、またまた疑問です。
そして、幼児教育無償化によって、家計に余裕がある家庭や教育熱心な家庭は、浮いたお金を習い事などの教育費に回すことはあるかもしれません。
一方、家計に余裕がない家庭や教育熱心でない家庭は、浮いたお金を生活費や貯蓄の方に回すことになる気もします。
ということは、幼児教育無償化によって、教育格差は拡大してしまう可能性もあると思います・・・。
すべての子供に質の高い幼児教育を保障するため、と言いながら、結局は本当に支援が必要な家庭向けの政策になっていないのではないかと・・・。
そんなわけで、誰のためなのかがよく分からないことのために税金を使うくらいだったら、待機児童問題を解消するとか、保育士さんの待遇を改善した上で教育の質を上げるとか、虐待リスクありの要注意家庭へのケアを徹底的に行うとか、本当に困っている人、問題になっていることのために優先して税金を使った方が良いのではないか、とモヤモヤします。
(その他の政策も何もやっていないわけではないのでしょうが・・・)
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と、いろいろとネガティブなことを書きましたが、実際に幼児教育にかかる費用が高いのは事実だし、子育て世代の負担軽減のため、と単純に考えれば、悪い話ではないのでしょう・・・。
私も今は戸惑っていますが、無償化が始まる頃には「助かるー。ラッキー。」という心境になっているかもしれません。
無償化になるからもう1人産もう、という発想にはなりませんが。
それでも、社会で問題になっていることは何なのか?
本当に解決していかなければならないことは何なのか?
という視点は、忘れないようにしたいです・・・。
※こちらの本、すごく興味深かったです↓
「非認知能力」を獲得する機会を奪われがちな貧困家庭の子どもに対して、質の高い教育(幼児教育含む)の機会を与えることが重要、という話。