『子供の「脳」は肌にある』を読んで学んだこと

先日、『子供の「脳」は肌にある』を読みました。

身体心理学者である山口創氏が、心を育てる上でのスキンシップの大切について考察した本です。

調査研究の結果などの根拠が豊富だったので、興味深く、とても勉強になりました。

本記事では、この本を読んで学んだことをまとめたいと思います。

少々長くなってしまいましたが、興味はあるけど本を読む時間がない方などがいらっしゃいましたら、ぜひ…。

※要約みたいになってしまいましたので、ネタバレ注意ですm(_ _)m毎度すみません。

育てる順番は、体→心→頭。

学んだこと一点目は、子育てにおいては、「頭」より先に「心」、さらに「心」より先に「体」を育てることが大切、ということです。
(体育て→心育て→頭育て、という順番)

なぜ、頭よりも心を先に育てる必要があるかというと、~したいという欲求(=心)を抑える形で頭を育てると、後々になって自発性の乏しい、やる気のない子どもになってしまう恐れがあるからです。

さらに、なぜ心より先に体を育てることが大切かというと、心は様々な体験を豊かに感じとることで育まれるものだからです。

体を自由にさせてもらっていると、心も自由に動く。そして心が自由だと、体もまた自由に動く。すると相手の感じていることも敏感に感じとれるようになる

幼いうちは、できるだけ許容範囲を大きくとって、子どもを中心にした枠を決めて、その中で自由に遊ばせてあげるのが理想

『子供の「脳」は肌にある』より

めいっぱい、思いのままに体を動かしてもらうことを大切したいと思いました。

スキンシップが心を育てる

2点目は、心を育むためには、スキンシップが極めて大切であるということ。

例えば、調査によると、下記のことが分かっているそうです。

・母親とのスキンシップが多かった子どもは、自分に自信を持ち、他人のことを信頼して親しくなることが容易になる傾向がある(=安定型)。

・父親とのスキンシップは、回避型(=他者と親しくなることを避ける)になるのを防ぐ傾向がある。

・母親とのスキンシップは依存的になるのを防ぐ。
(受け入れてもらえた安心感から、自分に自信が持てるため)

・スキンシップをとっている子どもほど、衝動性が低く、情緒が安定している。

etc.

そもそも、心地よい皮膚感覚への欲求は、新生児期から備わっているものです(子宮内回帰への欲求)。

乳幼児期からスキンシップが不足し、皮膚感覚の欲求不満が続くことで、心の健全な発達が妨げられてしまう。

だから、スキンシップがとても大切だということでした。

(上記だけ読むと、スキンシップ以外の要因も関係しているのは?と思わなくもないですが、スキンシップを含めた関わり方が大切なのだろう・・・と理解しました。)

その他、心地よい皮膚感覚への刺激が脳や体、心に与える影響についての調査結果もいろいろと紹介されていました。

例えば…

・チンパンジーの実験では、子どもとのスキンシップによって、初めて母性が育つということが分かった。

・未熟児で生まれた赤ん坊のうち、マッサージを受けたグループは、受けなかったグループに比べて、体重増加率は31%も高かった。

・幼児に市販の肌着と、ソフト肌着の両方を着せて比較した実験では、硬い肌着を着ると免疫機能の低下、ストレスの増加、集中力の低下など脳の活動にマイナスの影響が見られた。

etc.

肌への心地よい刺激が、ここまで心や体、脳に影響を与えるとは驚きです。
ベビーマッサージにも、ちゃんと科学的な根拠があったんですね。

そして肌着の実験結果は、ちょっとショックでした。新生児期からもっと柔らかい肌着を着せてあげれば良かったな・・・(^◇^;)新生児期は特に肌が敏感らしいので。。

年齢に応じたスキンシップのあり方

3点目は、年齢に応じたスキンシップを取ることが大切だということです。

スキンシップには、癒やしの効果があることが分かっており、子どもから大人まで、みんなが必要としているものです。

とはいえ、子どもの年齢に関係なくベタベタと密着型のスキンシップをしていると、それはそれで母子の愛情系が強くなり過ぎて何かと問題が発生するそうです。

乳幼児期にオススメのスキンシップとして紹介されていたのは、抱っこ、おんぶ、添い寝。

さらに、「なでなで」だけでなく、遊びの要素を含む「こちょこちょ」も効果的とのこと。

一方、思春期以降になると、肌のプライバシーを侵さないことが大切になってきます。

その時期には、ワンポイント型のスキンシップが効果的とのこと。

例えば、
「がんばれよ!」と肩を叩いたり、「おめでとう!」と握手をする…など。

注意すべき点は、できるだけワンポイントで短時間にすること、ですって。

んんん…なかなか難しそうですが、いつまでもベタベタしないように、年齢に応じたスキンシップをするよう気をつけていきたいですね。

ちなみに、著者曰わく、ワンポイント型のスキンシップ幼少期からの継続的な触れ合いの積み重ねがあってこそ成り立つ、思春期のスキンシップ法だそうですよ。

まとめ

子育てにおいては、「頭」より先に「心」、「心」より先に「体」を育てることが重要。

→なるべく許容範囲を広くとって、自由に体を動かせるようにしてあげよう!

・心の健全な発達のためには、幼少期からのスキンシップが大変重要

→抱っこ、おんぶ、添い寝、なでなで、こちょこちょなど、日常の中でスキンシップの機会を増やそう!

・年齢に応じたスキンシップをすることが大切。

→いつまでもベタベタしていても問題が。思春期以降は、ワンポイント型のスキンシップを!

以上です。

本日は、『子供の「脳」は肌にある』を読んで学んだこと、特に大切だと思ったことについてまとめました。

子どもとのスキンシップは、今までも大切にしようと思ってはいましたが、もっともっと大切にしよう!と思わせてくれた本でした。迷信的な話ではなく、根拠が豊富だったので、良かったです。

共働きだと子どもとスキンシップをする時間は限られてしまいますが、一緒にいる時間に質の高いスキンシップをするように心がけたら良いのかな、と思っています。

そして、思う存分、好きなように体を動かしてもらおう!と思えた点も良かったです。

長いのにお読みいただき、ありがとうございました。

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